園長先生のコラム

♪ コラム 【 2011年9月号 】

長い夏休みが終わり、園児たちが思い出をいっぱいつくって元気に幼稚園に帰って来ました。
夏休みの終わりにこの幼稚園にきて初めての年長黄組さんとのお泊り保育(キャンプ)をしました。
中には夕方になると心細くなったのか「おうちに帰りた~い」ってべそをかく子もいましたが、みんなで協力し、励ましあって無事次の日を迎えることができました。
これまで、30回くらい「お泊り保育」を経験してきたのですが、久しぶりに新鮮な小さな子どもたちにとっての大きな勇気に触れることができて僕もちょっとうれしかったのが印象です。
その日は午後から福井県の前の幼稚園に出張しまして、後任の園長先生と語りました。
 何十年も経験してもやはり新鮮な感動を覚える幼児教育の楽しさについて、熱く語り合いました。
福井の聖三一幼稚園では、ここ数年「福井市立青少年の家」でキャンプしていたのですが、今年の年長「ゆり組」さんが15名しかいなかったので、以前行っていた幼稚園でのお泊り保育をしたところ、家庭的な雰囲気の中でとても良かったと聞きました。
 そもそも、幼稚園は夜間使用には造られていません。園長は知っています。昼間が明るく楽しい子どもたちの笑い声やお歌で、にぎやかなだけに夜中の幼稚園がどんなに暗くて寂しいかを。
ですから子どもたちにとって、いくら大好きな先生といっしょであっても、どんなになかよしのお友だちといっしょとしても、幼稚園で泊まるというのは、子どもたちにとって大変な勇気のいる挑戦なのです。
 お迎えに来られた保護者の方々はきっと気づかれたと思います。ひとりひとりの子どもたちが少し疲れた様子の中に、それぞれ何かを達成し満足した瞳に輝いていました。
 閉会式のとき「大変良くできました」のハンコをひとりひとりに押しました。
「僕たち男の子少ないけどがんばったでしょ」
「私たち女の子だけど勇気あったでしょ」
ハンコ押してもらうときそんな(*^_^*)で胸を張っていました。
やっぱり幼稚園って最高ですね。
 9月1日から来年度の入園願書受付が始まります。
多くの子どもたちがここ聖ヤコブ幼稚園ですばらしい幼稚園生活を送ることができるようお祈りしたいと思います。

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・・ 今月のみ言葉 ・・

「 平和をつくる者は幸いです。 」 
新改訳聖書 マタイによる福音書5章9節

遠い昔、不安定要素が起こったとき神さまご自身が希望して贈り物としてGiftとして平和が与えらました。そのような平和的状況をユートピアと呼んでいます。言葉の意味は「どこにもない」という意味です。ドイツ語の平和 Frieden フリーデンという語は、自由 Frei フライの意味を含んでいます。人々に自由のない力づくの平和など平和に値しません。本当の平和は、人間性と自由が保障された平和であることが必須条件です。平和・フリーデンも自由フライも語源は同じ LIeben リーベン「愛する」からきています。共に赦しあい和解したとき平和が実現してゆくものなのでしょうね。新聞テレビでは信じられない残酷な事件の報道がなされています。このような事件が起きると私たちは被害者の悲惨を思い、2度と起きないように願い祈ります。当然です。でも私たちは、子どもたちを暴力や不当な扱いから全力で守ると同時に自由と人間性に基づいた倫理の確立と実践を行う必要を早急に迫られているのではないでしょうか?
なぜなら罪も犯せない世界であるならそれもまた別な意味での恐ろしい世界でもあります。それは、真の平和な世界とはいえません。罪を犯すことは可能であっても罪を犯さない倫理観をしっかりもっている社会を作り出すことこそ重要な課題といえるのではないでしょうか。

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