園長先生のコラム

♪ コラム 【 2015年12月号 】 「 平和の君を迎える準備 」

教会の暦でいいますと今年は11月29日から降臨節(アドベント)という、イエスさまを心に誕生させる準備の季節にはいります。
アドベント期間に4回の日曜日が入りその4回目の日曜(今年は12月20日)の週に降誕日(クリスマス)があるわけです。
幼稚園でのクリスマスは少し早い目に行われるためこのアドベント中のろうそくは早めに点灯本数が増えてのろうそく礼拝となりますが、教会では 12月20日降臨節第4主日に4本目のろうそくが点けられるのです。
教会暦ではこの降臨節が1年の信仰生活の始まりとなります。
なぜならイエスさまの誕生、神さまを自分の心の中にお迎えすることから1年が始まると言う考え方なのです。
イエスさまを自分の中に誕生させないでいくら愛や平和を求めても何も始まりません。

2001年9月11日にアメリカ合衆国内で起きた同時多発テロ(911事件)は忘れてはならない事件です。
ハイジャックされた航空機4機を使ってアメリカ各地(2機はニューヨークの国際貿易ビルツインタワーに激突、1機はアメリカ合衆国国防省に墜落、そしてもう1機は乗客たちの抵抗もむなしくワシントンDC北西240㌔付近に墜落した)テロです。数千人規模の犠牲者を出しました。
当時僕は京都宗教連盟の常任理事をしていました。すぐに理事会が招集され、アメリカ大統領に報復しないでくださいという手紙を書くという決議をしました。残念ながらその後アフガン紛争や、イラク戦争へと発展していきました。
そして、今年の11月13日(金)パリで同時テロが起こりました。100人以上の尊い命が奪われました。このテロで妻を奪われたアントワーヌ・レリスさんがテロ犯人達にメッセージを投稿したのが話題になっています。
「憎しみという贈り物はあげない。憎しみに怒りで応じることは君たちと同じく無知に屈したことになる。・・中略・・息子が幸せに自由に生き続けることが君たちを辱めるだろう。なぜなら君たちは息子から憎しみを得られないからだ」
と憎しみを憎しみで返さない姿勢を示しているのです。

「平和の君」イエスさまを待つ季節に本当の平和の実現を子どもたちと心から願いたいと思います。

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・・ 聖句と今月のみことば ・・

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」
~ルカによる福音書2章14節~

野宿して羊の番をしていた羊飼いたちに突然天使が現れメシア(救い主)の誕生が告げられます。紀元前1000年頃つまりダビデ王の頃はまだ「羊飼い」という仕事は専門職として社会的地位が少しはあったのですが、イエスさまの時代はご主人の羊の世話をする定住生活の保証のない低い身分でありました。ところが社会で低層に位置する羊飼いに数百年来待望の救い主誕生の知らせがあったのです。「天の高いところには栄光が神にあって地上には神さまの御心に適った人にこそ平和という神さまからの最高の贈り物が与えられる」というのです。

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