園長先生のコラム

♪ コラム 【 2015年8月号 】 「 幼稚園内の安全 」

「安全はすべてに優先する」という言葉があります。
100年以上前の世界鉄鋼協会会長の提唱した言葉とききました。
現在日本の多くの会社や工場の安全標語に使われています。僕も10年ほど前に建築物の調査会社の社長をしている友人からこの標語のことを聞きました。
「本当にそのとおりだなぁ」と考え園児と教職員の安全を最優先に位置づけことを心がけ幼稚園を運営してきました。

4年前の4月聖ヤコブ幼稚園の園長に就任以来気になるあらゆる遊具の安全点検整備を実施してきました。
ブランコの落下事故の大きな怪我の原因は自分が乗っていた踏み板によるものです。踏み板はゴムに変えました。
鉄棒は固定式から移動式に変えました。移動式の鉄棒は運動場の使い方で安全上移動して狭い園庭で使い方をアレンジできるからです。
古い鉄製アーチや鉄製総合遊具、老朽化して危険と判断し撤去しました。
2002(ニマルマルニ)基準(遊具等の安全基準)に沿った総合遊具(St Yakobu Athletik)をオーダーメイド設置しました。
そしてこの度はかねてから念願であったベランダ及び園庭への階段の安全対策工事を総合遊具のフレーベル社のご協力を得て無事終えることができました。
どのような構造にすればどんな材質を使えばより安全な床になるかどんな形状にすれば排水が容易になるのか、またより衛生的なのか、どんな色合いが危険を回避できるのかどのような高さや摩擦係数が子どもにとって自然な程よい抵抗となるのかを議論し実験をして借金して工事しました。
「借金してまで遊具や工事するの」と聞く人がいます。そんなとき僕はいつも言います「安全はすべてを優先するという言葉を知っていますか?」と。
幼稚園の園長を続ける限り僕は「想定外の事故でした。」ということのないようにしたいのです。想定内であるならその対策はあらかじめとっておけます。
あらゆる可能性を排除せず経営上都合の悪い予測であろうと知恵をしぼってできる限りの努力をしたいと思っています。
もうプールから濡れたからだでベランダに上がっても滑ってころぶことはほとんどないでしょう。たとえ転んでも怪我も少ないでしょう。階段でころんで角で体を打ちつけて大怪我する可能性も少なくなったと考えればお金に代えられない保障を得たように思います。

夏休みが始まります。ご家庭におきましても「安全をすべてに優先」させていただき事故なく無事元気に2学期幼稚園に帰ってきてくださることを祈念いたします。
すばらしい夏休みをお送りください。

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・・ 聖句と今月のみことば ・・

「わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」
~新共同訳聖書 ヨハネによる福音書4章14節~

ユダヤ人とサマリヤの地方の人々は思想的に対立していました。ユダヤ人はサマリヤ人を見下し差別しサマリヤ人は傲慢なユダヤ人を嫌っていました。
そのユダヤ人のイエスさまが水をくみに来たサマリヤ人の女性に「水を飲ませてください」と言われたのです。びっくりしたその女性はよほど渇いているに違いないと思います。イエスさまはさらに話を続けます。「『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたの方からその人に頼み、その人はあなたに生きた水を与えたことであろう。」と。
これはイザヤの預言「49:10 彼らは飢えることなく、渇くこともない。太陽も熱風も彼らを打つことはない。憐れみ深い方が彼らを導き/湧き出る水のほとりに彼らを伴って行かれる。」でも彼女にはこのことが理解できません。
これはイエスさまが人間の真の心の渇きを癒す神の子メシアの宣言だったのでした。

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