36年前、奉仕と両国友好のワークキャンプのためパプア・ニューギニアに2ヶ月滞在しました。
僕にもそんなことのできる若いときがあったのです。
そのときの友人のドクターが最近話題になった「デング熱」と「リュウシマニア」と思われる症状が帰国後再発(現地でも発熱)しました。
職場での入院処置がすばやくできたこと、またサポートしてくれていた「東大熱帯病研究所」からの特効薬で幸い命はとりとめました。
もしそれが現地であったら死んでしまったかも知れません。
僕も帰国して2年後、謎の発熱で舞鶴の国立病院に緊急入院しました。
舞鶴国立病院は昔海軍病院だったところで太平洋戦争後の復員者でマラリア患者をたくさん診てきた歴史ある病院です。
僕の病気もおそらくマラリアの一種で「三日熱」と言われる病気だったと言われています。
マラリアは病原体が「マラリア原虫」という生き物です。肝臓に卵を産みつけるらしいので卵が孵ると血液内がマラリア原虫だらけになって発熱するということです。そして40度くらいの高熱が3日続くと熱のため原虫は死滅して卵だけが肝臓に残ります。熱が下がるとまた卵が孵化して原虫が血液にあふれ発熱するという繰り返しが続くのです。高熱が出ているときしか原虫の確認ができないので中々完治の確認が難しいみたいです。
当時パプア・ニューギニアでは多くの子どもがマラリアで死んでいました。
もちろん医療設備の不備や医薬品の欠如は当然のことながら食料や栄養の不足、清潔な水の不足、つまりは貧困が原因といっても過言ではないと思います。
エボラ出血熱の流行が今、深刻な問題として取り上げられています。
とても危険な病気であることはいうまでもありませんが、西アフリカというその社会環境が拍車をかけて居るのだと思います。
貧困の問題を抱えている国や地域に感染力の強い危険なウィルス性の病気が発生すると瞬く間に拡がっていきます。そしてまた当然ながら犠牲者も甚大な数に上るのです。
主義や思想、宗教や文化の違い、また領土領海の主張の違いなどで世界中いたるところで紛争が絶えないことも理解できないこともありません。
でも、私たちが本当に戦わなければならないのは、実は「貧困とそのことから波及するさまざまな病気」なのではないでしょうか。
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・・ 聖句と今月のみことば ・・
「大地は作物を実らせました。」
~新共同訳 詩編67編6節~
詩篇65編と同じように収穫による感謝を歌にしたものです。
イスラエルの神さまによる世界の祝福と言うテーマが65編から継承されています。
そして、作者の詩人たちは、神さまの祝福が、イスラエルに限定されずにすべての民にも及んでゆくことを願っているのです。