紀元後3世紀までのキリスト教徒は、12月25日をクリスマスとして祝ってはいませんでした。
4世紀初頭まで、後にこの日を教会の重要な祝日として、集まって礼拝を捧げることもなく他の日と別段
変わることなく静かに暮らしていました。
当時のローマ帝国はもともと12月25日は太陽崇拝の特別な祝祭日でした。
それは、冬至を過ぎてどんどん昼間が長くなっていく分岐の日だからでした。
キリストの誕生がこの日に祝われる前は、当方において(やや遅れて西方)キリストの誕生は1月6日と
考えられていました。
実際はどうなのでしょうか、福音書の記者たちはその点に触れてはいませんが
クリスマスページェントにもありますように野宿中の羊飼いに天使が現れる場面が
「ルカによる福音書」に記述されています。
羊飼いはパレスチナにおいてはおおむね3月4月~11月に野宿することが可能です。
そのようなところからおそらくは冬ではないと思われます。
いろいろな研究から、4月29日、5月20日、4月2日などが誕生日とされていたようです。
いずれにしても、希望の星として、キリストがお生まれになったということから
「春」を思い出させたり、「闇から光の季節」への転換をイメージするにはよかったのでしょう。
2011年が暮れてゆきます。今年を振り返るとき3月11日の東日本大震災をはじめとした多くの災害の
被災者を考えないではおられません。
さらには、今年も11月末現在28,425人の方が自ら命を絶っています。
月平均2,500人以上ですから、おそらくは、12月末には3万人を超えるでしょう。
世界に目を向ければ政情不安定な国々、経済的破綻をした国々があり、そして戦争や紛争に
巻き込まれた多くの人々が恐怖と不安、闇の中に生きている現状があります。
「キリストはどこにいつ生まれる」のでしょう。
僕は「今こそ私たちの中に生まれ」て欲しいと思うのです。
来る、新しい年が春に向かって、光に向かっての希望の年となりますように心から願います。
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・・ 聖句と今月のみことば ・・
「 どうか父が、その栄光の豊かさに従い、御霊により、力をもって、あなたがたの内なる人を
強くしてくださいますように。 」
新改訳聖書 エペソ人への手紙3章16節
ローマの迫害時代に使徒聖パウロ(最初イエスさまをキリストと認めず、キリスト教徒を迫害していましたが、後に回心し使徒となった)が獄中(諸説はありますがたぶんローマ獄中でしょう)からエペソにいる教会の人々に対しての手紙です。
特にこの3章は教会が神さまから召され、神さまの満ちているものを経験するための
いわばパウロの切なる祈りの箇所と言えるでしょう。