2002(にまるまるに)基準というものをご存じでしょうか。
2002年3月に国土交通省が「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」という国内で初めて明文化された指針が発表されました。この指針が発表されるまでは、遊具玩具の先進国の北欧でさえ「一流の遊具制作業者が作っているからご心配なく」という安全に対する根拠のない漠然とした説明を信じるしかありませんでした。
思い起こせば半世紀も前、僕が通っていた和歌山のナザレ幼稚園の木製スベリ台の飛び出た古釘でズボンのお尻を破いてしまったことがありました。その時母が「大切な子どもが安心して遊べる幼稚園の遊具にしてください」と園長先生にお願いに行った話を僕が園長になったとき聞かされたのを思い出します。
「子どもたちが安心して育つには、子どもたちにとって良い環境が必要」という言葉があります。ヨーロッパの遊具メーカーの方々は「プレイバリュー」と呼んでいます。
幼稚園の遊具は家にあるそれとは違って迫力も大きさも違います。
お家とは違う遊具があるから、非日常的であるから幼稚園なのです。
ワクワクと胸高まる気持ちと思い切ってやってみるチャレンジする気持ち、また勇気を伴うドキドキする思い、そしてついにやり遂げた達成感や充実感、更なる期待と意欲をもつこと。子どもたちにこれらをどのように体験することができて満足させることができるかを考え実行するのが幼稚園なのです。
ただしその一方で、安全に配慮し、大きな事故を未然に防ぐ努力を怠ってはいけないと思います。
いつも、幼稚園で注意しているのが「リスクとハザードの違い」です。
リスクとは遊びの楽しみの要素の一つです。冒険や挑戦の対象となり、子どもの成長には必要なものと言えます。子どもたちは小さなリスクに対応することで経験的に危険を予測判断してどう対処すれば良いか学ぶのです。
それに対し、ハザードとは遊びに関係ないところにおける事故を発生させる危険性をいいます。子どもたちには予測がつかずどう対応したらいいか判断不可能なこともハザートといえるでしょう。
危険だということもわからずに行う遊びの行為はリスクへの挑戦とはとうてい言えないと思います。
10月12日文科省初等中等教育局幼児教育課から各県の学校にメールが届きました。「学校に設置している遊具の安全確保」というものです。今年の8月7日某都市の公園のジャングルジムに登っていた女の子が頂上部のバーに巻かれたラバーを掴み損ねて転落しました。転落途上頭部に切り傷を負う事故が発生した旨の通知でした。女の子は幸い軽傷でした。
本年12月聖ヤコブ幼稚園園庭の総合遊具を全面的に見直し、より安全面を重視した構築物となります。楽しみですね。
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・・ 聖句と今月のみことば ・・
「 あなたの恵みを私は楽しみ、喜びます。 」
新改訳聖書 詩篇31編7節
旧約聖書39巻に、全150篇に構成されている「詩篇」という部があります。
もともと幾つかに分かれていた詩集を集めたものです。
ですからその集大成を1つの時代、1つの場所に限定することはできません。
僅かなダビデ王(BC1000年頃)以前の要素と、主としてダビデ時代からバビロン捕囚後(AD5~6世紀)の時代に至る数百年間の歌が色々な状況下で集められているものと言われています。
31編はダビデ集の第1集と言われダビデが自分の仕えている主君サウル王に反逆罪と誤解され追われる状況にあり、心身ともに衰えてしまっているときでさえ、なお神さまを仰ぎ賛美している信仰が見える箇所です。