園長先生のコラム

コラム 【 2020年9月号 】 「 2学期が始まりました 」

例年より少し早く2学期が始まり聖ヤコブ幼稚園の園児たちが元気いっぱいで幼稚園に帰ってきました。
たくさんの夏休みの思い出を作ったことでしょうね。

近頃齢のせいか昔のことを思い出すのですが、僕の幼稚園時代は預かり保育などはなくて本当に40日間の夏休みでした。(今年は例年になく短い夏休みでした。)私立幼稚園年少の頃(当時では珍しい3年保育)幼稚園に行くのに父の小さなバイクに乗せてもらって通っていました。帰りは集団降園で母の実家に預けられまた夕方、父が会社帰りに迎えに来てくれるという通園でした。ですから、夏休みはずっと自宅にいるのです。母は、戦後すぐ美容師の国家資格を取得し、自宅で美容院をしていました。
幼稚園のお友達は家が遠くてなかなか会えなかったので、早く夏休みが終わって欲しいと思っていました。ただ、朝の10時頃が「ろばのパン屋はチンからリン(^^♪・・・・」と音楽流しながら本当のロバがパンをいっぱい並べたケースを積んだ荷車引いてやって来るのです。家の敷居に座って10円玉を握りしめずっとやってくるのをまっていました。パンが特別に美味しかったと言う記憶もないのですが懐かしさはあります。
余談になりますが先日8月26日のことでした。
この懐かしい「ろばのパン屋の歌」が繰り返し流れてきたのです。思わず外に出てみると果たして移動式のパン屋が市役所の前の停まっているではありませんか。夫婦で早速事情を聴きにいきました。そして懐かしいパン(蒸しパン)を買ってきました。
話は60年以上昔にもどります。
1960年頃、母の弟夫婦がその家に住むようになり美容院は閉店し、僕たちの家族は母の実家に住むことになったので幼稚園が近くなり送り迎えは母になりました。夏休みの間は友だちの家に行ったりまた僕の家に来たりして遊びました。年長の頃になると幼稚園敷地の隅から隅まで知っているので、たとえ門が閉まっていても沢山ある抜け道の中から忍び込んで遊んでいると日直の先生たちに叱られたのも楽しい思い出としてのこっています。
夏休みが長くまた先生やなかなか会えなかったクラスの仲間たちに久しぶりに会える始業式が何か気恥ずかしく嬉しい感じでした。
またちょっと自分が成長したことをどのように振舞ったらみんなに認めてくれるかを考えたり複雑な気持ちでした。
僕は、このような幼児少年時代を送れたことを本当に今幸せと思っています。

ニュースで毎年2学期が始まる9月1日が子どもの自殺が1番多いことを伝えていました。(今年はどうなのかまだ聞いていません)
ただ、毎年2学期になると1学期より痩せて(給食がないため栄養が充分取れていない)登校する生徒が津の小学校にも時々いるそうです。
とても、悲しいことです。
幼稚園や小学校に行くことが楽しく、嬉しかった自分のことを思うと胸が痛みます。かけがえのない幼児の時期に価値観や感性を養い、教師や友人との人間関係を学び、遊びを通して知ることの喜びを体験して欲しいと思います。
2学期はたくさんの行事があります。すばらしい成長の2学期にしましょうね。

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