1980年4月に神学校を卒業して以来教会勤務と同時に幼稚園に係る仕事に携わってまいりました。
2020年に至る40年の長い間には教会関連施設もなく牧師活動に専念した期間もありました。でもその時は、子どもたちが公立の保育園と公立幼稚園に通っていた時代なのでPTAの役員などを通して、その後の私学に係る仕事上貴重な経験をさせていただきました。
牧師以外の教育関係の仕事、幼稚園から大学にまで至る多くのお仕事の中で、過去に類を見ない出来事が今起こっています。
それが、今回の「新型コロナウイルス感染防止の一連の緊急措置」です。
今日の幼稚園は、僕の園長駆け出しの頃とは社会的状況が全く違います。
1980年代の前半はまだまだ共働きの家庭も少なく第2次ベビーブームの名残もあって社会は高齢化が進んではいるものの少子化はさほど進んではいませんでした。
しかしながら、80年代後半からのバブル経済と言われる好景気からバブル崩壊大手の証券会社や生命保険会社の破綻一挙に社会は変わって行きました。
何が大きく変わったのでしょうか?「不確定性の社会」と言うべきものなのでしょうか?「多様性の社会」というべきでしょうか?
「幼稚園と保育園の一元化」が考えられるようになり幼稚園に要求されるものが「3種の神器」や「4種の神器」と言われるようになりました。ちなみに3~4種とは、(1)給食(2)バス(3)長時間(4)制服などです。近頃ではそれに小学校の先取り教育なども取り入れている幼稚園もあるそうです。
何でもかんでも人気があるものを取り入れて「保育をサービス業」と考えていく幼稚園を「コンビニ幼稚園」と呼ぶそうです。
新型コロナ感染防止対策のため、現在聖ヤコブ幼稚園も4月15日から5月6日まで臨時休園をやむなく実施しているわけですがこの機会に真の教育とは一体何なのか原点に返って考えて見る機会としたいと思います。世界規模に拡がる恐ろしい未知のウィルスに対抗するということは人類の英知と文化、倫理観を今日的に神さまから試されているように思えるのです。
医療とは何か?看護とは何か?介護とは何か?福祉とは何か?強さとは何か?学校とは何か?教育とは何か?国とは何か?行政とは何か?法とは何か?政治とは何か?協力とは何か?人は本当に孤独な存在なのか?使命感とは何か?そして宗教と信仰とは何か?人は誰のために何のために生きるのか?等々。
40年の牧師生活で初めて「信徒が集まることができない教会の日曜の朝」を経験しました。当たり前のように日曜の朝教会で祈り、聖歌を歌い、楽しく昼食を取るという小さな幸せがどんなに恵まれ、神さまの愛とご加護のうちにあったのか痛感しています。
どうか皆さま方お一人お一人の上に神さまのお守りと導きが豊かにありますようにお祈りいたします。
長い休園明けに、元気な子どもたちに会えるのを心から楽しみにしています。
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