今年幼稚園では11月に「収穫感謝祭」を行います。
収穫感謝のお祭りは、世界中いろんな宗教の国でも行われています。
日本では、「新嘗祭」が有名です。新穀の収穫を神に感謝するお祭りです。
「新嘗」とは、その年に収穫された新しい穀物を食することをいいます。
毎年11月23日に行われます。
キリスト教主義学校で行われている感謝祭は多分にアメリカからの宣教師が持ち込んだキリスト教文化と思われます。
1620年9月、メイフラワー号に乗って英国から信仰の自由を求めて渡ってきた清教徒たちは到着した土地での新しい生活を始めました。初めての冬、思っていたより厳しいものでした。男性78人と女性24人の人びとの半数ほどが飢えと寒さで亡くなったのでした。やがて春が来て先住民族の人びとに助けられ土地を開墾して作物を植えます。秋となって最初の収穫を得ることができました。そのことを感謝して先住民族の人びとを招きともに収穫を神さまに感謝したのが起源と言われています。
しかしこの後多くの移住の民は、最初に彼らを暖かく迎え、冬を乗り越えるのを助けてくれた先住の民の土地を奪い、彼らを居留地に閉じ込めてしまう歴史をたどります。
感謝することも、自分たちの生活が豊かになっていったことを感謝するのみになってしまったのです。
近年になって、こうした感謝祭の出来事も見直され、自らの力で得た豊かさ以前に、そこに彼らを助けた人々の存在、また神さまの存在を謙虚に振り返る、そのような時として感謝祭を迎えようとする人々も増えてきました。
神さまがすべて生きるものを創造され、その一つ一つの創造を喜ばれたことを真に受け止めてゆくことは、今日本当に大切なことと思います。
生きていくすべての隣人と共に感謝できる恵みを覚える日としての「感謝祭」の意味があると思います。
そして、更には今助けを必要としている人々の力になろうとする気持ちが湧いてくることこそが「感謝の実践」として神さまから問われていることではないでしょうか。
聖ヤコブ幼稚園で初めての感謝祭を楽しみにしたいと思っています。
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・・ 聖句と今月のみことば ・・
「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。」
新共同訳 フィリピの信徒への手紙4章6節
フィリピの信徒への手紙4章6節のみ言葉は正確には
「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。」
です。当時のフィリピという町に住む人々は生きていくだけでも煩わしいことであったに違いありません。つまり人権などありもしない時代、人間であることさえ、死を待つ存在でしかなく人間であること自体が煩わしかったに違いありません。そして、この聖書が書かれて時代はキリスト教徒にとっては迫害の時代です。キリスト者になること自体が自殺行為といえるのですから、さらに煩わしい限りです。パウロは解決法は、「何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。」でした。
ある神学者の言葉です。
「平安は信仰による祈りの果実である」